『布施 努の一言。』スポーツ心理学からみるラグビー日本代表/五郎丸選手のルーティン|株式会社Tsutomu FUSE, PhD Sport Psychology Services

『布施 努の一言。』スポーツ心理学からみるラグビー日本代表/五郎丸選手のルーティン|株式会社Tsutomu FUSE, PhD Sport Psychology Services

『布施 努の一言。』スポーツ心理学からみるラグビー日本代表/五郎丸選手のルーティン

ラグビー日本代表の活躍で五郎丸選手の蹴る前の一連の動作が話題となり、「ルーティン」という言葉がよく使われていますね。

このルーティーンの導入によって五郎丸選手はキックの成功率をあげたといわれていますが、スポーツ心理学的に見ると、ルーティンはつまるところ『意識をコントロール』するための技術です。

 試合中の選手は『これを入れなくては・・・(負けてしまう)』とか『ミスったら・・・(自分の責任だ)』など強いプレッシャーから平常心でいられなくなります。

選手によっては、観衆の声援も集中を妨げたりします。また、天候が悪い時に『ボールが蹴りにくいなぁ』とそれが心に引っかかってしまうような場合もあります。

そうなると、いい状態でボールを蹴っているとは言えなくなります。

そこで、気持ちを集中させたいのですが 何もなく集中するという事は難しいので、その時 本来考えるべきことを作り、それに意識を向けていく作業をして集中していこうとします。

 それが、「ルーティン」です。

 ここで皆さんにルーティンの作り方のコツを少しだけお教えしましょう。

スポーツ心理学では、『コントロールできる事』と『コントロールできない事』を住み分けしてあげることが、まずやるべき作業の1歩。

ルーティンでも、まず『コントロールできる事』と『コントロールできない事』を考えてみます。

そして『コントロールできない事』については、コントロールできないのだから、考えてもしかたがないと明確に認識するのです。

選手は誰しも、今すぐ何万もの観客を静かにさせ、普段の練習場のような状態にできない事はわかっています。

そうであれば、これは考えても仕方無いことだと思いきって割り切り、そこに意識を向けるのは不要だと決めてください。

 次に、例えばキックを蹴る場合であれば、成功するためにまず『ボールはどう置こう』『どの位置まで下がろう』『その時どこを見ていよう』等と自分のベストを探していき、それを決めます。

そして時系列でその瞬間、瞬間、決めたことを正確にやりとげる。これがルーティンの作り方のコツです。

既に決めたルーティーンであっても、時にはより良いものを目指し修正も行います。

さらに、ルーティンですべきことは動作だけではありません。心理的状態のチェックや思考のチェックもすべきです。

イチロー選手は、非常にセルフコントロールに優れた選手として特筆すべきですが、彼の場合バッターボックスに入る前のいわゆる『プレ・ルーティン』といわれるもの以外に、

自身が野球選手たるための生活全般にわたるルーティンが秀逸です。

彼のように毎日同じ環境の中でプレーをしていると、不調になった場合に自分の変化に気づきやすい、また何がおかしいのかが分かりやすいと言えるでしょう。

また、イチロー選手は『ボクは球場ごとにいくつかポイントを決めて、それを見ることで精神的コントロールをしているんです。

いつも普通の精神状態でいられるように、準備しているという事かな。何度も見ているのは、最後の最後にキレイ(濁りのない心に:平常心に)にしておきたいというか・・』と言っています。

この言葉が非常に象徴的なのですが、ルーティンは、『意識のコントロール』の為の技術なのです。

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